この記事は日記と記憶を元に書いています。
この怪我を発症した当時の仕事は、手作業がほとんどで重い物もたくさん扱う作業ばかりでした。
ほかの人とは違う業務に携わり、繁忙期は特に本来なら男性が請け負うような力仕事も多くこなしていました。
2019年2月に初めて痛みを感じたときを、よく覚えています。
あのときに病院で診てもらっていたら…、と後悔の気持ちが強かったからだと思います。
イスに座りひとり黙々と作業をこなしているときのことです。
左手の甲側、手のひらと手首の境い目辺りに、チクチクと針を刺すような痛みがあったり無かったり。
手首に負担がかかっている動作中であれば、すぐに診てもらうことも頭によぎったかもしれません。
ほとんど負担のないときの痛みだったので不思議でした。
昔、60代のおばちゃんが仕事中によく話していたのを思い出しました。
干し柿を作る過程の中に、柿を手で揉む作業で親指を傷めたと。
おばちゃんは兼業農家の働き者で厚みがありしっかりとした手、指も太く仕事人の手。
それでも指が変形してしまったのだと。
症状はどんなものだったのか覚えてはいませんが、年を取れば誰でも、いつか自分もそういったことがあるのだろうと、20代の私は軽く思っていました。
神経痛か何かなら、痛み止めでどうにかするものだろうと。
でも閑散期であろうと自分の体の能力を無視するようなことばかりしていました。
繁忙期に備えて体作りをしたいと、知識の無い無茶な自己流の筋トレをしてきたから。
自分の体を道具のように扱ってきたから。
知らぬ間に手首に負担がかかり、少しずつ少しずつ組織が壊れていたのかもしれません。
その後、発症する一ヶ月前にも痛みがあり。
4月の上旬のこと。
帰宅後、冷蔵庫から麦茶ポットを取り出しコップに注ごうと持ち上げた瞬間、激しい痛みで持ち手を離してしまいました。
何度か持ち上げようと試すけど痛みと違和感で力は入りません。
慌てて近くの整形外科クリニックへ駆け込み、左手首TFCC損傷と診断されました。
装具で固定し安静、モーラステープと痛み止めの飲み薬。
装具は穴の空いた部分に親指を通し手首に巻き付け固定するタイプでした。(最近になって気付いたのは、野球で使われるものでクリニックで買うより安かった…。)
この治療で駄目なら手術だと言われ、これが4ヶ月先の8月頃まで続いていました。
この装具は吸湿性も放湿性も無いので汗をかきだすと蒸れてかぶれるようになりました。(そして、くさい)
装具に巻き付ける前に、装具の幅より少し短めの手ぬぐいをカットしたものを巻き付け、かぶれにくくさせました。
仕事上、防水タイプの手袋を使用しなければならないので、ワンサイズ上のものを選び。
ピチピチで余裕が無いので、力づくではめようとすると痛みが出ました。
8月の末の診察時、クリニックの医師から紹介状を書くからMRIを撮るよう勧められます。
もう嫌な予感しかありません。
つづく